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区分所有法(先取特権)(特定承継人の責任)

民法先取特権

先取特権とは、法律が一般の債権と比較して特に保護すべき債権の種類を指定し、その債務者の財産から他の債権者に先立って債権の弁済を受けることのできる特権を与える制度である。

民法

先取特権の内容)
第三〇三条 先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

 

先取特権法定担保物権である 。法定担保物権とは、法律上当然に発生する担保物権で、契約などをすることなく発生する権利である。

 

先取特権には、「一般の先取特権」と「特別の先取特権」があり、「特別の先取特権」には「動産の先取特権」と「不動産の先取特権」がある。

 

一般の先取特権は「総財産を目的にする担保物権」で、特別の先取特権は「特定のモノを目的にする担保物権」である。

 

一般先取特権とは、債務者の総財産を責任財産とする先取特権で、その種類は民法では、①共益費用②雇用関係③葬式の費用④日用品の供給などとなっている。

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区分所有者の先取特権

区分所有者は、共有部分やその共有に屬する敷地とか附属施設を共同して維持管理する立場にある。維持管理を適正に行うために必要な経費などの区分所有者間の債権は、特に保護する必要がある。

 

そこで、共同管理のための経費として支払う修繕積立金や管理費などの支払債務について、民法303条に定める先取特権が及ぶことにするため、区分所有法第7条1項で、「共有部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき有する債権」に加えて、「規約若しくは集会の決議に基づき有する債権」についても、先取特権を有することにした。

 

区分所有法

先取特権
第七条 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百十九条の規定は、第一項の先取特権に準用する。

 

区分所有法で認められている先取特権で担保される債権は区分所有者の債権の種類は次の3つである。

 

❶共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権

❷規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権

❸管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権

 

❶は特定の区分所有者に帰属する債権で、例えば区分所有者Aが区分所有者Bのために費用をを立て替えて支払った場合に、区分所有者Aに帰属する債権である。

❷は区分所有者全員が共同して有する債権で、管理費や修繕積立金に係る支払債務のように、区分所有者全員が共同して有する債権である。

❸は管理者の先取特権である。管理者の権利義務は、民法の委任の規定に従うから、管理者は、その職務を行うために必要な費用の前払又は償還等の請求権を有している。この債権につき先取特権を有することにしている。

ただし、管理者は報酬請求権を当然には有していないから、規約でこれを有するものとした場合であっても「職務を行うにつき有する債権」には当たらない。したがって先取特権で担保される債権ではない

 

先取特権の対象は、次の2つである。

債務者の区分所有権(共有部分に関する権利及び敷地利用権を含む)

建物に備え付けた動産(畳や家具等、共有部分の廊下や屋上などに備え付けられたものも含む)

先取特権の行使は、まず始めに建物に備え付けた動産、その次に債務者の区分所有権を競売にかけ、その売却代金から回収する。

 

先取特権の優先権の順位は、

❶不動産の先取特権

❷動産の先取特権

❸共益費用の先取特権

❹一般の先取特権(共有費用を除く)

となっている。

 

区分所有法の先取特権の優先順位と効力は、共益費用の先取特権とみなされる(区分所有法第7条2項)。

共益費用の先取特権は、他の一般の先取特権には優先する。

しかし、動産と不動産の先取特権(特別の先取特権)には劣後する。

また、登記された抵当権にも劣後する。

 

特定承継人の責任)
第八条 前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。


特定承継人とは、専有部分の買主、受贈者、強制執行や抵当権の実行による競売などによって区分所有権を承継した人である。

前条第一項に規定する債権は、共同管理のために必要な費用である。この債務の弁済を怠ったまま区分所有権が譲渡された場合、その特定承継人に対しても、これを行使することができることするということである。

他の区分所有者が支払った経費は、例えば共有部分の改修に使われて区分所有権の価値が上がっていたるか、使われずに修繕積立金として財産を増やしているかのどちらかであるから、その特定承継人に対して行使するのは当然といえる、という考えに基づいている。

因みに、特定承継人が前区分所有者が滞納した管理費などを支払った場合、特定承継人は前区分所有者に対して、求償することができる。

 

以上、区分所有法(先取特権)(特定承継人の責任)をまとめてみました。今年の11月25日に行われるマンション管理士試験に向けて日々学習しています。その学習した知識をブログに書き、知識の確認と定着を試みようとしています。

 

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